火星深青

日常の想いとか趣味の模型とか

そう大胆にフロントライトに火を付けろ

 車って、色んな顔をしている。爽やかなイケメンがいたり、パワー系のイカツイ系がいたり、人に例えられるくらい車の顔も様々だ。

 

 車を正面から捉えた時、ライトがあってミラーがあって、それらがまるで目や耳の様な顔のパーツに見えたりする。切れ目丸目単眼複眼色々種類はあるけれど、ヘッドライトは特に「目」って感じがするのは間違いない。正面から向き合って最初に目で確認する場所は、きっとフロントライトだ。アイコンタクトをしよう。

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 先日、M577コマンドポストという軍用車を組み立てた。1975年にタミヤから発売されたベテランキットだという。この模型は左右が木パレで持ち易く、足回りはがっしりとしたキャタピラで安定感もあり、更に転輪はポリキャップと言う軟質素材の接着不要の素材で取り付けられているため、スプロケットを指で回してやるとキャタピラがグルグル回る楽しいキットである。組み立ても箱を開けたらドーンと大きく四角いボディーが入っていて、そこへパーツを盛っていく流れで初心者も割と楽ちんに完成できると思う。兵士もなんと5名も入っていて、ミリタリー初心者は車体だけでなく兵士も沢山楽しめると言う贅沢ぶりだ。スターターキットとして売り出しても良いのではないだろうか。しかも秀逸なのは机と椅子が付いているという事である。そこに中心となるリビングがあることで家族が集まり、コミュニケーションが生まれ、家族団らん無病息災日進月歩自重自愛という訳である。素晴らしいですね。

 

 組んだままのコマンドポスト様をSNSにアップしたところ、色は塗らないのか?というごもっともな意見を頂いた。ツイッターは自由な呟きの場なので、それはただ夜空に光る星を見たようなものに過ぎないのだがよく分かる話ではある。色を足すというのはやっぱり楽しい遊びで、例えばガンプラならそれを部分塗装とも呼ぶでしょう。(全塗装の話には意地でも持って行きたくない)

 

 俺が興味があるのは、最小単位で一番効果的に模型の魅力を引き出すには何が正解なのかという事である。コマンドポスト様は緑の成形色のままの姿なので、これを試すのにいい機会だ。答えはもう決まっている。目だ、目を入れよう。しかもシルバーじゃない、つや消しホワイトが良い。お祝い事のダルマのように、フロントライトに筆を入れるのだ。

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 人間は本能的に相手の目を探してそこから感情や行動を読み取るそうだ。両目と口の3点があれば人間の脳はそれを顔と認識するようにプログラムされていて、それをシミュラクラ現象と言うらしい。

 どうだろうか、このコマンドポストに目を入れた後の印象の違いは。ずっと無意識に探していた目がそこにある。すると中央のパネルは大きな鼻か、ロボットの口のようだ。無塗装で楽しんでいる方もフロントライトに白を入れてみると、急にこちらを見ているプラモデルの視線に驚いて思わずアイコンタクトで機嫌をうかがってしまうことだろう。

 

 

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 ただ楽しく、プラモデルと向き合った気がします!

 

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