火星深青

日常の想いとか趣味の模型とか

シタデル天国

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小さなタミヤのフィギュアは楽しい。見ているだけでも楽しい。グレー一色なのに、こんなにもシャープな影をまとったプラモデルは他にはそうそうあるだろうか。小さなプラモデル、といっても、これは1/35スケールという、高さ5センチほどの人形である。ほかにもメジャーなものは1/48スケール、1/72スケールというものもあるが、どうにも小さすぎて、筆で塗るのには難しい。そう、彩色していない状態でも十分に見応えのあるタミヤのフィギュアだけれど、塗るともっと楽しいのだ。

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▲シルバーで下地塗装した状態。かっこいいのでこれで完成にしても良い。

ではどうやったら楽しく塗れるのかといいますと、やはり筆で色を付けて重ねていくものですから、気持ちよく塗料が乗る状態をつくってやるのがベスト。まずは下地をつくっておきましょう。下地の色は、プラスチックに当たった光を反射するためのシルバーがいいとか、透けないためにブラックがいいとか、いろいろ言われていますが、これはどちらでもいいし、二つの方法をミックスしてもいいとおもいます。

で、兵士フィギュアのいいところは、この塗装の下処理が大変気楽に行える、というところにあるのであります。例えば車のプラモデルにサーフェイサーを吹く場合ですと、シャーシとボディーで下地の色を変える必要が出てくるときもありますし、パーツごとに細かく分けて吹かないと色が回りきらないという問題点が発生することもあるのです。

ところがこの5センチほどのサイズならば、組み立てた後に持ち手となる台座に固定して、一気に「ぷしゅーっ」と色を吹き付けてやるだけで、塗装準備完了なのであります。この辺りはタミヤの設計にも何か秘密の心配りがあるのかもしれませんが、大体の人形は組み立てた後に「ぷしゅーっ」とサーフェイサーを吹いても、問題なく全体に色が回るようになっています。

ここに面倒が発生しないというポイントは非常に大きい。このお手軽さこそ、非常に大きいポイントなのであります。

土日は休日だけれども、なんだかんだ忙しい。家事も、買い出しも、散髪にだって行きたいし、図書館に本を返しに行かなきゃいけない。でも、そんなときでも、多少執念深いのではと自分で気付いていようとも、組みたい、塗りたい、筆を持ちたいと願ってしまうのです。そんな時、前述の兵士フィギュアの手軽なサイズ感と、満足感の高いディティールというポイントが活きてくるのです。

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▲今回はシタデルカラーを使っています。

下地が済んでしまえば、あとはお楽しみの塗装タイム。望んでいたのは間違いなくこの瞬間。タミヤモデリングブラシ プロⅡ 面相筆 細 を右手に握りしめたら、自作のウェットパレットに出したシタデルカラーを筆先にちょんと含ませて、パレットの空いている場所で筆先を整え、第一刀を恐る恐る、しかしややヤケクソ気味に振り下ろしていく。

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果たして選んだ塗料がベストマッチしているのかどうかは、塗ってみるまで分からない。そもそも俺はドイツ人をよく知らないし、この衣装も塗るときどんな色をしているのかなど、まるでチェックしてなかったので、完全にうろ覚えの雰囲気で色を乗せた。正しい色の確認をしている場合ではない。今はただ色を乗せるのが楽しいのだ。

緑色の塗料は「WAAAGH!FLESH」。えっ、なんだそれ。調べてみると、ウォーハンマーに登場するオルク(緑色のゴブリン達)の言葉で「WAAAGH(グァーグ!)」は「戦争」の訛り言葉である、という設定があるみたいだ。フレッシュというのはつまり、オルクたちの肌の色という事なのだろうか。

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塗ってみると、これが意外と軍服に使えることが分かった。パレットの上には、ミドリ以外の色も少しずつ用意してある。面相筆の先に黄色を少しとって、色に変化を出してみたり、緑に黒を少し足して暗くしてみたり。テーブルいっぱいに広げられた小皿から、好きなおかずを取っていくようで楽しい。思えばこの賑やかさも、筆塗りの醍醐味の一つだった。

デザートにはLAYERカラーの ADMINISTRATUM GREY が待っている。この明るいグレーのハイライトを書き足しておしまいだ。

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mihairu.hatenablog.com

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さて最近は梅雨と夏の猛暑が掛け合わさって、トンデモなく嫌な感じの気候になっていますが、皆さん、台所の、水回りの掃除だけはキチンとしておきましょうね。生ごみも絶対に忘れずに捨ててくださいね。あたしゃ言いましたからね。

 

追記 使った塗料

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▲肌に使った塗料

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▲服とか瓦礫に使った塗料(瓦礫は肌系とも色々混色)

以前に「シタデルベースペイントセット」という、BASEカラーを集めたセット商品をアマゾンで購入したのですが、今は生産していないのかどこにも売っていませんね。一応その時のリストを載せておきます。

セット内容:
1:リードベルチャー(ベース 12ml入)
2:マクラーグ・ブルー(ベース 12ml入)
3:グァーグ・フレッシュ(ベース 12ml入)
4:バグマンズ・グロー (ベース 12ml入)
5:メフィストン・レッド(ベース 12ml入)
6:モーンファング・ブラウン (ベース 12ml入)
7:アバドン・ブラック (ベース 12ml入)
8:セラマイト・ホワイト(ベース 12ml入)
9:ザンドゥリ・ダスト (ベース 12ml入)
10:アヴァーランド・サンセット(ベース 12ml入)
11:バルタザール・ゴールド(ベース 12ml入)

 ここに

MECHANICUS STANDARD GREY

NULN OIL

REIKLAND FLESHSHADE

ADMINISTRATUM GREY

「ALTDORF GUARD BLUE」

 を加えたのが、自分の今の手持ちになります。アンダーラインを引いた色が、今回使った色です。高級品だから大切に使おうと思っていたのですが、使わないならあまり意味がないなと気付き始めたので、今後は積極的に消費していこうと思います。